介護と介助の違い
介護と似た言葉に「介助」があります。
介護士、介助士などとも言われますが、この介護と介助の違いとは何でしょうか。
繰り返しになりますが、介護は日常生活を送ることが困難な高齢者らに対して、彼らの意思を尊重しながら生活をサポートし、自立を支援することです。
一方、介助は「そばに付き添って動作などを手助けすること。介添え。」とあります。(引用:デジタル大辞泉より)
排泄介助、入浴介助など、日常生活を送るうえで必要な行動や動作をサポートすることです。
つまり介助は具体的な手助けの行為そのものを指し、介護をするための手段の一つであると考えられます。
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介護と介助は何が違う?介助の種類・方法・ポイントをご紹介!
介護と看護の違い
では介護と看護の違いにも触れておきましょう。
看護とは、病気やケガなどを負った方の健康回復を支援することです。
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患者の治療・療養をサポートすることが看護の役割となります。
介護と看護の業務には、共通する部分ももちろんあるのですが、介護は「日常生活のサポート」、看護は「治療のサポート」と、それぞれに役割が違うということを理解しておきましょう。
したがって、看護師と介護士では、取得資格や仕事内容も異なります。
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「介護」と「看護」の違いは3つ!!それぞれの役割とは?
介護の仕事をするうえで大切なこと
最後に、介護の仕事をするうえで大切にすべきことをお伝えします。
「介護の三原則」というものをご存知でしょうか。
高齢者福祉が進むデンマークで1982年に提唱された介護の理念です。
1.生活の継続性
なるべく生活環境や習慣を変えずに、可能な限り今までと近い暮らしを継続できるようにする。
2.自己決定の尊重
本人が望まない生き方や介護は行わない。
高齢者自身が意思決定をし、周囲はその選択を尊重する。
3.残存能力の活用
身体の残っている機能を最大限活用し、日常生活の動作で本人ができることは何でも自分でやってもらう。
この三原則は介護に対する基本の考え方として、今では各国で取り入れられています。日本も例外ではありません。
介護職員に求められることは、高齢者の尊厳を守ること、そして本人の能力に応じて自立した日常生活を送れるように支援することです。
この基本の考えを持って介護の仕事に取り組むことが大切です。
また人生の先輩である高齢者の方々を敬う気持ち、接遇の心を忘れてはなりません。
利用者の方一人ひとりの思いを尊重し、相手の立場に立って介護を行うことが介護職員の務めです。
そして上記の考え方において一点気をつけるべきなのは、「利用者の身体機能の維持を無理強いしてしまっていないか」という点です。
利用者の意思に関わらず、残存能力を維持すること自体が目的になり、無理なリハビリ訓練をさせたり、苦痛を強いることがないよう注意が必要です。
それが本人の希望であればサポートすべきことですが、本人の意思とは無関係に自立支援を目指すことだけを考えた介護にならないようにしなければなりません。